ファーマーズマーケットの成り立ち
近年食の安全・安心への関心が高まっている中、食の安全を確保する台北市政府の取り組みとして、”良質な農産物を消費者に届ける産地直売”をコンセプトに掲げた「台北花博ファーマーズマーケット」は、2012年から毎週土日に台北花博公園(地下鉄MRT淡水信義線圓山駅1番出口)で開催されることになりました。台北市政府はファーマーズマーケットを通して、トレーサビリティー(生産履歴)が明記されている農産物を消費者に直接提供するとともに、小規模農家生産者を支援しながら「暮らしの食と農業の共生関係」の実現を目指しています。また、ファーマーズマーケットの開催場所は交通が便利で広大な敷地を誇る2010年台北国際花博覧会の会場だったところで、その周辺には台北市立美術館や、大龍峒保安宮、士林官邸、国立故宮博物院、士林夜市など観光スポットが点在しており、台北花博ファーマーズマーケットを訪れる国内や海外の観光客に地元の魅力を存分に楽しんでいただけます。
台北花博ファーマーズマーケットでは、台湾各地代表的な農産物や特産品が勢揃いしており、多様な消費者のニーズに応えられると同時に、直接販売することにより、小規模農家生産者にとって収益向上につながると考えられます。台北市政府は全国農業協同組合と連携して仕入れを行い、毎週ファーマーズマーケットで120個の販売ブースを設置し、農協の栽培指導を受けた新鮮で安全安心な野菜や果物、農産物加工品を消費者へ届けます。
安全・安心な厳選食材
台北花博ファーマーズマーケットでは農産物の安全性を確保するために3段階の品質管理を実施しています。第1段階として、出荷者は地方自治体(県市町村)あるいは農業関連団体(農業協同組合)による推薦が必要とされます。第2段階では、出荷物は食品衛生法に基づく食品検査の実施記録(残留農薬検査報告など)の提示が求められます。第3段階では、台北市政府の指定する食品安全検査機関は毎週店頭に陳列されている商品をサンプリングして残留農薬などの安全検査を行い、検査結果をその都度公式サイトに掲載することになっています。こうして、台北花博ファーマーズマーケットでは常に消費者に対して厳選された安全かつ品質の良い農産物を提供しています。
消費者と生産者との温かいふれあい
台北花博ファーマーズマーケットは従来のスーパーや量販店と違って、消費者と生産者の間で直接交流することができます。「顔の見える」販売を通して、消費者は生産者から素材の選び方、食べ方、保存方法などを教わりながら安心感や信頼感が生まれます。一方、生産者は消費者のナマの声を受け止めて品質の改善を行い、消費者ニーズに合った生産品目の計画を立てると同時に、生産者が持つ「自分らしさ」を生かせる農産物のブランドを確立することができます。こうすれば、出荷量による農産物の価格が高騰または暴落するという可能性が避けられ、物価の安定や需給バランスの維持に寄与すると考えられます。
悠遊カードのワンタッチで楽々お買い物
地下鉄MRTを利用して来場した方々の利便性向上に向けて、2018年から台北花博ファーマーズマーケットでは買い物の支払いに「悠遊カード(Easy Card)」が使えるようになりました。お買い物の際はカードをタッチするだけで、小銭いらずでお会計もスムーズになります。
休日を楽しむ憩いの場
農産物や特産品の展示販売の他に、台北花博ファーマーズマーケット内では毎週、プロの歌手や演奏者あるいは学校の音楽サークルをゲストに招いて音楽会のイベントを開催しています。また、毎週土曜日に「農学講堂」を開き、「食」と「農」の大切さを伝える食農教育に取り組んでいます。さらに、花博公園においても不定期で多様多彩なイベントを行っています。すなわち、台北花博ファーマーズマーケットは多くの方々がゆっくりと休日を楽しむ憩いの場所でもあります。
週末の過ごし方として、緩やかな時間の流れの中で素朴ながら豊かな食農体験をしてみてはいかがですか。ぜひ一度台北花博ファーマーズマーケットに足を運んでください。